キャベツは家庭菜園で人気の野菜ですが、病気や害虫の発生が多い作物としても知られています。
特にアブラナ科の野菜(ブロッコリー・白菜・小松菜など)と同じような病気や害虫にかかりやすく、しっかり対策しないと収穫量が激減することもあります。
今回は、キャベツに多い病気と害虫、その予防と改善方法を初心者向けに詳しくまとめました。
キャベツによくある病気とその対策
① 根こぶ病
- 症状:根にコブができ、栄養が吸えずに萎れて生育不良。
- 原因:土壌中のカビ(根こぶ病菌)による感染。連作で特に発生しやすい。
- 予防・対策
- アブラナ科(白菜・ブロッコリーなど)との連作を避ける(3〜5年空ける)。
- 土壌pHを6.5以上に保つ(苦土石灰で酸度調整)。
- 抵抗性品種を利用する。
② 黒腐病(くろぐされびょう)
- 症状:葉脈に沿って黒い筋が入り、最終的に葉全体が枯れる。
- 原因:高温多湿の環境、雨や害虫による菌の侵入。
- 予防・対策
- 雨よけを設置し、葉に水がかからないようにする。
- 害虫(アブラムシやコナガ)を防ぐことで菌の拡散を防止。
- 発病株はすぐに抜き取り処分する。
③ 軟腐病
- 症状:株元や葉が水浸状になり、やがて悪臭を放ちながら腐敗する。
- 原因:細菌による感染。高温期や多湿環境で広がりやすい。
- 予防・対策
- 栽培場所の水はけを改善(高畝・排水溝を設ける)。
- 植え傷や害虫による傷口から感染するため、防虫管理を徹底。
- 感染株は早めに処分。
④ ベと病
- 症状:葉に黄色い斑点ができ、裏側にカビ状の灰色斑。進行すると葉が枯れる。
- 原因:湿度が高く、低温で雨が続く時期に多発。
- 予防・対策
- 下葉を整理して風通しを確保。
- 雨よけ栽培で湿度を下げる。
- 発病初期は薬剤で対応可能。
キャベツにつきやすい害虫と対策
① モンシロチョウの幼虫(アオムシ)
- 被害:葉を大量に食べ、結球が進まなくなる。
- 特徴:春と秋に発生が多い。卵を産みつけられると一気に増える。
- 対策
- 防虫ネットをかけてチョウの侵入を防ぐ。
- 卵や幼虫を見つけたら早めに手で駆除。
- BT剤(微生物農薬)を利用すれば初心者でも扱いやすい。
② コナガ
- 被害:葉を透かすように食害し、被害が広がる。農業害虫としても有名。
- 特徴:防虫ネットをすり抜けるほど小さい。
- 対策
- 初期から防虫ネットを細かい目合いで設置。
- 被害葉を早めに切り取って処分。
③ アブラムシ
- 被害:葉裏に群がって汁を吸い、株を弱らせる。ウイルス病を媒介。
- 対策
- 黄色粘着シートで捕獲。
- 強めの水流で吹き飛ばす。
- 防虫ネットを利用。
④ ヨトウムシ
- 被害:夜に活動し、葉を丸ごと食べてしまう。大量発生すると株全体が被害に。
- 対策
- 株元を掘って見つけ次第駆除。
- 夜間に懐中電灯で見つけて捕殺。
- 株元にワラや雑草を放置しない。
⑤ ナメクジ
- 被害:葉に大きな穴をあけ、夜間に活動する。雨の多い時期に特に被害。
- 対策
- 株元にワラや落ち葉を置かない。
- ビールトラップで捕獲可能。
- 駆除剤を使う方法もある。
病害虫予防の基本まとめ
- 防虫ネットを早めに設置(植え付け直後から)
- 輪作を徹底し、連作障害を防ぐ
- 下葉をかき取って風通しを良くする
- 水は朝に与え、過湿を避ける
- 被害を見つけたら早期に駆除・除去
まとめ
キャベツは栽培しやすい野菜ですが、病害虫の管理がポイントです。
- 病気:根こぶ病、黒腐病、軟腐病、べと病など → 連作回避・雨よけ・水はけ改善で予防
- 害虫:アオムシ、コナガ、アブラムシ、ヨトウムシ、ナメクジ → 防虫ネットと早期駆除が効果的
この基本を徹底することで、初心者でも健康なキャベツを育てられます。
防除の工夫を続ければ、甘くて美味しいキャベツを長期間収穫できますよ。
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