カブは初心者でも育てやすい野菜ですが、実際には病気や害虫の被害を受けやすい作物でもあります。
特にアブラナ科野菜（キャベツ・白菜・小松菜など）の仲間なので、共通の病害虫に狙われやすい特徴があります。
この記事では、カブによくある病気と害虫、その予防法と改善策を詳しく解説します。
カブによくある病気と対策
① 根こぶ病
- 症状：根にコブ状の膨らみができ、生育不良や萎れを引き起こす。
- 原因：土壌中の病原菌が感染。連作で発生しやすい。
- 予防・対策
- アブラナ科野菜との連作を避け、3年以上間隔を空ける。
- 石灰を施し、土をpH6.5以上に保つ。
- 抵抗性品種を利用する。
② べと病
- 症状：葉に黄色〜褐色の斑点ができ、裏側にカビが発生。
- 原因：多湿で低温の環境。
- 予防・対策
- 下葉を整理して風通しを確保。
- 雨よけを設置し、泥はねを防ぐ。
- 発病初期に薬剤で対応可能。
③ 白さび病
- 症状：葉に白い小さな斑点（やがて盛り上がる）。
- 原因：カビの一種。湿度が高い環境で発生。
- 予防・対策
- 株間を広げ、葉が蒸れないようにする。
- 被害葉は取り除いて処分する。
④ 軟腐病
- 症状：根や葉が水浸状になり、やがて悪臭を放ちながら腐敗。
- 原因：高温多湿で細菌が侵入。
- 予防・対策
- 水はけの良い土で栽培する。
- 過湿を避け、灌水は朝に行う。
- 傷のある株は感染しやすいため注意。
カブにつきやすい害虫と対策
① コナガ
- 被害：葉を透かすように食害。大量発生すると葉がボロボロに。
- 対策
- 細かい防虫ネットを設置。
- 被害葉は早めに処分。
② アオムシ（モンシロチョウの幼虫）
- 被害：葉を食害し、結球前の生育を阻害。
- 対策
- 防虫ネットで成虫の侵入を防ぐ。
- 卵や幼虫を発見したら手で駆除。
- BT剤（微生物農薬）を利用。
③ アブラムシ
- 被害：葉裏に群生して汁を吸い、生育を弱める。ウイルス病を媒介する危険も。
- 対策
- 黄色粘着シートで捕獲。
- 強い水流で吹き飛ばす。
- 防虫ネットを徹底。
④ ヨトウムシ
- 被害：夜に活動し、葉を丸ごと食べる。大量発生で壊滅的被害も。
- 対策
- 株元の土を掘って幼虫を駆除。
- 夜間に捕殺。
- 株元にワラや雑草を放置しない。
⑤ キスジノミハムシ
- 被害：若葉に小さな穴をあける。幼苗期に食害されると成長が止まる。
- 対策
- 防虫ネットで侵入防止。
- 株元にワラや堆肥を敷き、乾燥を防ぐ。
病害虫予防の基本
- 防虫ネットを定植直後から設置
- 輪作を徹底し、アブラナ科の連作を避ける
- 株間を広くとり、下葉整理で風通しを確保
- 水やりは朝に行い、過湿を防ぐ
- 発病株・被害株は早めに処分して拡大を防ぐ
よくある失敗と改善策
失敗①：根が腐って収穫できない
- 原因：過湿による軟腐病
- 改善策：高畝で水はけを良くする
失敗②：幼苗期に葉が穴だらけ
- 原因：キスジノミハムシの食害
- 改善策：防虫ネットで初期から防ぐ
失敗③：収穫間近で株が萎れる
- 原因：根こぶ病
- 改善策：連作を避け、石灰で土壌改良
まとめ
カブは育てやすい反面、病害虫が集中しやすい野菜です。
- 病気では「根こぶ病・べと病・白さび病・軟腐病」
- 害虫では「コナガ・アオムシ・アブラムシ・ヨトウムシ・キスジノミハムシ」
これらが代表的なトラブル。
しかし、防虫ネット・輪作・風通しの確保・早期駆除を徹底すれば被害を最小限にできます。
家庭菜園初心者でも、基本を守れば甘くて柔らかいカブを収穫できますよ。
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