ほうれん草は栄養価が高く人気の家庭菜園野菜ですが、病気や害虫に弱いデリケートな一面があります。
特にアブラナ科とは違い「ヒユ科」の野菜なので、独特の病気や害虫被害が出るのも特徴です。
この記事では、ほうれん草によくある病気と害虫、その予防法と改善策を詳しく解説します。
ほうれん草によくある病気と対策
① べと病
- 症状:葉に黄色〜褐色の斑点ができ、裏面に灰色〜白色のカビが発生。
- 原因:低温多湿の環境で拡大。
- 予防・対策
- 密植を避け、風通しを良くする。
- 下葉を整理して湿気を防ぐ。
- 発病初期に薬剤で対応可能。
② 炭そ病
- 症状:葉に円形の黒い斑点。進行すると穴があく。
- 原因:カビの一種による病気。高温多湿で発生しやすい。
- 予防・対策
- 雨よけを設置して泥はねを防ぐ。
- 発病株は抜き取り処分。
- 土壌を清潔に保ち、連作を避ける。
③ 白さび病
- 症状:葉に白い小さな隆起が発生。やがて葉が黄化・枯死。
- 原因:湿度が高い環境。
- 予防・対策
- 風通しを良くするため間引きを徹底。
- 被害葉は早めに取り除き処分。
④ 苗立枯病(立枯病)
- 症状:発芽直後の苗が萎れ、株元から倒れてしまう。
- 原因:土壌中の病原菌。過湿や連作で発生しやすい。
- 予防・対策
- 高畝栽培で水はけを改善。
- 同じ場所での連作を避ける。
- 健康な苗を選んで育てる。
ほうれん草につきやすい害虫と対策
① アブラムシ
- 被害:葉裏に群生して汁を吸い、生育不良やウイルス病を引き起こす。
- 対策
- 黄色粘着シートで捕獲。
- 防虫ネットを設置。
- 水で吹き飛ばす。
② ハモグリバエ(エカキムシ)
- 被害:葉の内部を食害し、白い筋のような跡が残る。
- 対策
- 被害葉を早めに摘み取る。
- 防虫ネットで侵入を防ぐ。
③ ヨトウムシ
- 被害:夜間に活動し、葉を丸ごと食害。大量発生すると株が壊滅。
- 対策
- 株元を掘って幼虫を駆除。
- 夜間の見回りで捕殺。
- 株元に雑草を残さない。
④ キスジノミハムシ
- 被害:若葉に小さな穴をあけ、苗の成長を止める。
- 対策
- 定植直後から防虫ネットを徹底。
- 株元を乾燥させず、堆肥や敷きワラで保護。
病害虫予防の基本
- 防虫ネットを播種直後から設置
- 株間を広げて風通しを確保
- 水やりは朝に行い、過湿を避ける
- 連作を避け、土壌消毒や石灰で環境改善
- 発病株や被害葉は早めに処分
よくある失敗と改善策
失敗①:発芽後すぐに苗が倒れる
- 原因:立枯病、過湿
- 改善策:高畝栽培・連作回避・排水性改善
失敗②:葉に筋状の跡が多数
- 原因:ハモグリバエの被害
- 改善策:被害葉を処分、防虫ネットで予防
失敗③:収穫前に葉が黄化
- 原因:べと病や肥料切れ
- 改善策:風通しを確保、定期的に追肥
まとめ
ほうれん草は、
- 病気:べと病・炭そ病・白さび病・立枯病
- 害虫:アブラムシ・ハモグリバエ・ヨトウムシ・キスジノミハムシ
といった被害が発生しやすい野菜です。
しかし、防虫ネット・風通しの確保・水やり管理・連作回避を徹底すれば、被害を最小限に抑えることができます。
家庭菜園初心者でも、基本を守れば元気で柔らかいほうれん草を育てられますよ。
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